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第壱弾 緑の大地の10枚への感想や評価 [各カード感想]

この記事ではこれまでと同じく、
「色らしさ」をテーマにしながら、FixerS第壱弾の緑のカードについてコメントしていく。

今回はいくつかの効果について、それが何色であるべきかについても語っている。
気になったなら、是非とも続きを読んでくれたまえ!


〝魔眼獣〟デイン
種別:ユニット 種族:ミクストル タイミング:クイック
使用コスト: 緑1無1 移動コスト: 緑1 パワー: 1500 スマッシュ: 1
効果:
●バトルの間、あなたのユニットは相手のカードの対象にならない。


「対象にならない」効果は、基本的に白のものである。
しかし、白以外が持ってはいけない、ということではない。
むしろ、それぞれの能力を完全に一色しか使えないようにしてしまうと、 ゲームがつまらなくなってしまうだろう。
調整も難しい。

それを踏まえて、「対象にならない」効果は、白以外のどの色が持てるだろうか?

まず、青はアリだ。
相手の手の届かない所で暗躍し、奥に潜む様子がよく出ている。

黒も似たような理由で悪くないが、青よりは似合わないだろう。
黒は青よりも行動し、相手の目に触れる機会も多いのだ。

赤は間違いなく似合わない。
相手の目に触れる、触れないなどは、どうでもいいのが赤である。

では、緑はどうか?
赤と同じく、作戦を考えるような色ではない。

しかし、緑とは本能の色であり、野生の色である。
言い換えるならば、自然の生物達の能力を身に付けた色なのだ。

自然界においては『擬態』は珍しいことではなく、
「対象にならない」効果は緑に合った効果なのだ。

特に、今回のように「相手のカードの対象にならない」効果は、
白よりも似合うと言っていいだろう。
(白は平等な色なので、自分と相手を差別しないことも多い)



〝選定者〟マウリヤ
種別:ユニット 種族: リヴス タイミング: クイック
使用コスト: 緑2 移動コスト: 緑1 パワー: 2000 スマッシュ: 1
効果:
●[緑2] 《バトル》 ターン終了時まで、このカードのパワーを+Xする。Xはこのカードのパワーと等しい。

少しでもD0に詳しい諸君ならば、このカードを見た時に、
《七つの海の王子/IV-3》が頭に浮かぶだろう。

これは私の推測だが、
このカードは《七つの海の王子/IV-3》の調整版として緑に生まれたのだと思う。
(名推理だと思わないかね?)

私は、この調整に非常に賛成だ。
そもそも、《七つの海の王子/IV-3》は青のカードという時点で、 色らしさからは外れたカードなのだ。

確かに青は、「無限の成長」を信じる色ではある。
本能に従い、ありのままを受け入れる緑とは違い、
人の成長を、知識の可能性を信じるのが青だ。

しかし、青の成長とは知恵や知識を高めることであり、
暴力的な行為を推奨するものではない。
肉体的な成長だけなら、緑のものなのだ。

《七つの海の王子/IV-3》のようなパワーを上げ続ける効果は、
青よりも緑に似合うのである。




〝九尾姫〟カズハ
種別:ユニット 種族: ミクストル タイミング: クイック
使用コスト: 緑2無1 移動コスト: 緑1無1 パワー: 3500 スマッシュ: 1
効果:
●バトルスペースのすべての「加速」を持つあなたのユニットのパワーを+2000する。

加速は緑の代名詞であり、
それを推奨するカードは緑のカードだといえるだろう。

私がこのカードで気に入っているのは、このカード自身が加速を持っていない点だ。
カードとしては間違いなく弱くなっているものの、
その弱さゆえに、このカードを気に入るプレイヤーは多いだろう。

ゲームデザインとは本質的に「出来ない」をいかに演出するかであり、
「出来ない」がプレイヤーを夢中にさせ、工夫へと誘うのである。



〝造換手〟チーシ
種別:ユニット 種族: リヴス タイミング: ノーマル
使用コスト: 緑2無2 移動コスト: 緑1無1 パワー: 5000 スマッシュ: 1
効果:
●エネルギーゾーン効果(エネルギーゾーンで有効になる。)『あなたのユニットが相手のカードの効果でスクエアから墓地に置かれた時、あなたはこのカードを自軍エリアのスクエアにフリーズして置いてよい。』
●このカードがエネルギーゾーンからスクエアに置かれた時、あなたは自分の墓地の対象のカードを1枚まで選び、持ち主のエネルギーゾーンにフリーズして置く。

私がこのカードを見て思い出すのは、
友人からの次の質問である。

なんで《大陸アルドのレプラコーン/V-2》や《幸せはすぐ近くにある/II-1》は墓地からカードをエネルギーに置くんだろう?
墓地は黒の役割で、緑は違うでしょ?

確かに、墓地といえば黒だが、
実は緑も墓地と非常に関わりの強い色である。

というのも、緑――自然界の世界観とは、
「弱肉強食」「食物連鎖」に支配されているのだ。

誰かの滅びは、自然界全体で見れば、誰かのプラスになっている。
獣は朽ちた後、草木の糧になることを忘れてはいけない。
言うならば緑は、黒とは違う形でリサイクルに長けた色なのだ。

私は今後FixerSの緑のカードで、
「あなたの墓地のカードを手札に加える」という効果が出てきても、
さして驚きはしないだろう。



〝エラーナンバー〟アギニ
禁呪:2
種別:ユニット 種族: リヴス タイミング: クイック
使用コスト: 緑2無3 移動コスト: 緑1無2 パワー: 5500 スマッシュ: 1
効果:
●補給(あなたがこのカードをプレイするコストを支払うにあたり、そのコストを、自分のベーススペースのベースの枚数1枚につき-[無1]する。)
●急襲2(あなたがこのカードを移動するコストを支払うにあたり、そのコストを[あなたのベーススペースのベースを2枚選び、フリーズする]にしてよい。)
●このカードがスクエアに置かれた時、あなたのエネルギーゾーンのカードの枚数が相手より少なければ、あなたは自分の山札の1番上のカードを、持ち主のエネルギーゾーンにフリーズして置く。
●あなたのエネルギーゾーンのカードの枚数が相手以上ならば、このカードのパワーを+2000し、スマッシュを+1する。

これにて、”リムセサイクル”の完成である。

人間という生物はなにか一つでも足りないと引っ掛かりを感じる生き物なので、
サイクルを完成させるのは重要だ。

効果もリムセサイクルの緑らしく、非常に完成度の高い同人カードである。





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〝侵掠者〟ジャフナ
種別:ユニット 種族: リヴス タイミング: クイック
使用コスト: 緑3無4 移動コスト: 緑1無2 パワー: 7000 スマッシュ: 2
効果:
●あなたのエネルギーゾーンにカードが置かれた時、あなたはバトルスペースの対象のユニットを1枚まで選び、ターン終了時まで、パワーを+2000する。

エネルギーゾーンにカードが置かれる度にメリットの有る効果は、
初期の頃から緑に根強く存在している効果である。

この効果自体は非常に面白く、
様々な効果をデザインする余地が残されている。
(例えば、エネルギーが置かれる度にカードを引いたり、ユニットを前に進めることが出来るだろう)

エネルギーを扱う色は緑なので、この効果は緑らしい。
しかし、エネルギーを置くだけなら全ての色が毎ターン行うので、
他の色が持っても大きく不都合は起きないだろう。

もしかしたら近い将来、
「エネルギーゾーンにカードが置かれる度に誘発する効果」のキーワード能力が出来るかもしれない。



カロリー精製装置
別:ベース タイミング: クイック 使用コスト: 緑1
効果:
●[無X このカードを廃棄する] 《バトル》 あなたはこのカードと同じラインの対象のユニットを1枚選び、ターン終了時まで、パワーを+X*1000する。

緑の本質とは、力と力のぶつかり合いである。
下手な小細工をせずに、拳一つで乗り切る事が、
緑の矜恃なのだ。

このカードは特に目新しさもなく単純な効果であるが、
それ故に緑らしさを表現しているといえるだろう。


廃品造換装置
種別:ベース タイミング: クイック 使用コスト: 緑2
効果:
●相手のターン終了時、あなたは自分のエネルギーゾーンのリリース状態のカードを3枚選び、フリーズしてよい。
そうしたならば、あなたは自分の山札の1番上のカードを持ち主のエネルギーゾーンにフリーズして置く。

青の大地にも存在した、エネルギーを3枚フリーズして発動するカードである。
この種のカードが1枚であれば、私は注目することはなかったが、
2枚に増えた以上、残り3色にもこの手のカードを期待してしまう。

先程も述べたが、人間は何かを足りないと感じると、
そこを埋めたがる生き物なのだ。

残り3色のサイクルが、FixerS第二弾に控えているとすれば、
上手いデザイン、売り方だと言えるだろう。





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雑種強勢
種別:ストラテジー タイミング: クイック 使用コスト: 緑2
効果:
●あなたは自分の山札の上から3枚のカードを見て、1枚選び、自分のエネルギーゾーンにリリースして置く。残りのカードを除外する。

このカードは今までの緑にもあった、
デッキからエネルギーを増やすカードである。
見飽きた、というプレイヤーも多いだろう。

しかし、私はこのカードを高く評価したい。
既に何度も刷られたカードの効果を違った形にするのは、非常に難しいのだ。

このカードは今までのカードと違い、
デッキトップ以外からカードを選んでエネルギーゾーンに送ることが出来る。
ほんの少しの差だが、プレイ感は大きく異なるだろう。

カードゲームの効果の種類には限りがあるので、 いかに今まで使われてきた効果をずらして他のカードにするかが、 カードゲームデザイナーには求められているのだ。



熟練者の造換
種別:ストラテジー タイミング: バトル 使用コスト: 緑2無1
効果:
●あなたはバトルスペースの対象のユニットを1枚選び、持ち主のエネルギーゾーンにそのユニットと同名のカードがあるならば、持ち主のスマッシュゾーンにフリーズして置く。


このカードは中々面白い条件を持った除去カードだ。
D0は同じカードを3枚しか入れられないので、
相手が同じカードを2枚引かない限り、このカードは相手を除去することができない。
(ああ、団結は別だ)

エネルギーゾーンにカードを除去するというのはD0の緑のお家芸であり、
非常に緑らしいカードだと言えるだろう。


ただ、私は現状の緑の除去に、若干の不満を抱いている。
緑の除去が他の色と同じように対象を選び、エネルギーゾーンに送るだけというのが、
イマイチ納得いかないのである。

どういうことか?説明しよう。

まず、除去が最も強くあるべき色は黒である。
黒は生命の終わりを司る色であり、生物に滅びを与えるのだ。
なので、黒の除去には制限がいらない。
どこまでも強い除去を作ることが出来る。

逆に言えば、その他の色の除去はなんらかの制限があるべきなのだ。

まず、赤の除去の制限はわかりやすい。
赤はダメージで相手を除去するので、倒せないユニットが存在するのだ。

次に青は、本質的に相手を除去できない。
デッキトップや、手札に戻すのがせいぜいで、相手のカードを消し去ることは出来ないのである。

白が制限に縛られているのは言うまでもないだろう。
白は自分からは手出しをせず、襲いかかってきたものだけを除去するのだ。

そして、緑だ。
緑はカードを除去する場合、相手をエネルギーゾーンに送る。
これは一見、制限に見える。

相手のカードを除去する代わりに、「相手のエネを増やしてしまう」というリスクが有るのだ。
相手の手札に戻す青と対比されており、問題が無いようにも見えるだろう。

しかし、実はここに大きな違いがある。
エネルギーゾーンへの除去は、他の色と違い、「倒せないユニット」が存在しないのである。

赤のように、サイズで倒せないユニットがいるわけではない。
白のように、罰することの出来ないユニットがいるわけでもない。
青のように、除去ができないないわけでもないのだ。

エネルギーゾーンに送る除去とは、「相手のエネを増やす代わりになんでもできる」という、
言ってしまえば黒と同等か、それ以上の可能性を秘めた除去なのである。

私は、この現状に物申したい。
今現在、緑の除去で凶悪なものは生まれていないが、それはカード個別のカードパワーによるものだ。
「相手のエネを1増やす代わりに黒の除去の上位互換が可能」というような可能性がある以上、
私は緑に別の形の除去を与えたい。

例えば、緑はユニットの色なので、ユニットがいるときにだけ発動できる除去などがいい。
白の《ブル・ショット/IV-3》の効果や、青の《ギガント・シーラカンス/IV-2》、赤の《赤銅の大剣の乙女/III-3》等がイメージに近い。
あとは、除去の対象を自ユニットのパワー以下だけに抑えるのもいいだろう。

緑は赤や青や黒と違い、ユニットの力強さが売りの色だ。
除去にこういった条件をつけたほうが、緑らしさを表すことが出来るだろう。

ところでこの主張は、今のエネルギーゾーンに送る除去を無くすべきだ、という主張ではない。
あくまで、緑の除去に現状以外の形を作るべきだ、という主張である。


緑を総じて見ると




今弾の緑は、非常に完成度の高いものに見える。
D0の緑らしさを忠実に守りながら、少しだけひねった効果を加えたものも多い。
同人ゲームの第一弾として、優秀なスタートを切ったといえるだろう。

ただ、一つ残念なのが、緑の巨大なユニットで、レアを担えるだけのカードがなかったことだ。
緑は最も巨大さを表せる色なので、出しただけで相手を圧倒できるように見えるカードが欲しかった。
そんなカードが有れば、このセットの魅力は更に上がったとだろう。


第一弾を一周



ついに、FixerS第壱弾のカード全てへのコメントが終了した。
これらの記事が、諸君らのD0談義のきっかけになれば、これ程嬉しいことはない。

次回からは、私がこれまでさんざん口にしてきた、「色らしさ」について、
もう少し掘り下げる予定である。

では次回、カラーパイの食卓でお会いしよう。
あなたのD0ライフに幸あれ。


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